はじめに
本記事をご覧いただきありがとうございます。
今回はジェームズ・クリアーさんの著書、「ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣(Atomic Habits)」を読んで実践した習慣化テクニックをご紹介します。
習慣化の本はいくつも読んで様々なテクニックを実践してきましたが私が使ってきた中でもっとも効果があったのは習慣トラッカーでした。
今私が飽きずにブログを書き続けられているのも、実は習慣トラッカーのおかげです。
ただこの習慣トラッカーには1つ大きな欠点があって、使ってない人も多いと思います。
この本を読めばなぜ習慣トラッカーが難しいのか理解できるのですが、今回はその欠点を克服し習慣トラッカーを効果的に使う方法をご紹介します。
結論
習慣づくりにおいて最善のツールは習慣トラッカーである。
ただし唯一の欠点であるめんどくささがあまりにも大きなハードルになっている。
習慣トラッカーを習慣化してなんでも継続できる自分になろう。
習慣形成とは
習慣とは
本の中で習慣は以下のように定義されています。
習慣とは、自動的に行うまで何度も繰りかえす行動のことである。
ポイントは自動的に行われる、という点です。
「習慣化」=「行動の自動化」をすることで得られるメリットは主に2つあります。
1つは、生産性の向上です。
自動的な行動は集中力をほとんど必要としないので、脳が疲れません。
そのため1つ習慣にしてしまえば、新たに別のタスクに集中力を使うことができます。
そしてそのタスクも習慣にし…と繰り返すことでどんどん時間を生み出せるようになります。
習慣化による生産性向上について詳しく知りたい方はメンタリストDaiGoさんの著書「自分を操る 超集中力」を読んでみてください。
2つ目はアイデンティティの形成です。
習慣とアイデンティティは相互関係にあります。
習慣を身につけるとアイデンティティが形成され、またアイデンティティを持つ人は必ず関連する習慣を身につけています。
例えばタバコを吸わない人になることを考えます。
仮に「1ヶ月タバコを吸わないぞ!」と結果ベースで目標を立てた場合
1ヶ月経った時点で満足してしまい、また喫煙者に戻ってしまう可能性が高いです。
一方「1ヶ月で非喫煙者になるぞ!」とアイデンティティベースで目標を立てた場合
1ヶ月後にも非喫煙者というアイデンティティが確立しているので、その後もタバコを吸う可能性が低くなります。
このようにアイデンティティベースで習慣を作ることで習慣はより持続し、同時にアイデンティティが形成されます。
これが習慣とアイデンティティの相互関係です。
習慣形成とは
習慣形成のメカニズムは、行動主義心理学の基本的な理論の1つ、オペラント条件付けで説明することができます。
さらに著者は、習慣に特化した4つのプロセスに分解して、習慣形成プロセスについてとてもわかりやすく説明されています。
詳しく掘り下げていきます。
オペラント条件付け
オペラント条件付けとは
オペラント条件づけ(オペラントじょうけんづけ、operant conditioning、またはinstrumental conditioning)とは、報酬や嫌悪刺激(罰)に適応して、自発的にある行動を行うように、学習することである。
簡単にいうと「満足できれば次も行動を繰り返したくなり、満足できなければ繰り返さなくなる」という法則です。
例えばInstagramは投稿にたくさんいいねがもらえると、満足して次の投稿をしたくなります。
ところが誰からもいいねされないと、満足できず次第に投稿しなくなります。
努力や依存症など、繰り返す行為に対してオペラント条件付けは作用します。
習慣も同じで、この法則をうまく利用することが良い習慣づくりや悪い習慣をやめることにつながります。
習慣形成4つのステップ
習慣は4つのステップで形成されています。
- きっかけ
- 欲求
- 反応
- 報酬
スマホに着信があって手にとる場合を例に挙げると、こんなイメージです。
- きっかけ ー メッセージの着信音にが鳴る
- 欲求 ー メッセージの内容が見たい
- 反応 ー アプリを開いてメッセージを見る
- 報酬 ー メッセージの内容を見れたことに満足する
このように習慣的な行動はすべてこの4つのステップに従って行動していると著者は述べています。
そしてその特性から、4つのうち1つでも欠けると行動を起こそうとはしません。
もし、ある行動が四つのステップのどれかを満たしていなければ、それは習慣にならない。きっかけを除けば、習慣はけっして始まらないだろう。欲求を弱めれば、行動する気にならない。行動を難しくすれば、行えない。そして、報酬が願望を満たせなければ、今後それを行う理由がなくなる。
つまり、習慣を作りたいならこの4つのステップを全て満たすようにすればいいんです。
それぞれのステップを満たす方法は以下の4つです。
- はっきりさせる
- 魅力的にする
- 易しくする
- 満足できるものにする
例えば朝散歩を習慣にしたいとします。
その場合、4ステップそれぞれ満たすためには
- はっきりさせる- ランニングシューズは玄関に出しておく
- 魅力的にする- コーヒーをカフェでテイクアウトすることを目標に歩く
- 易しくする- 靴を履いて玄関前に出ることを最低目標に決める
- 満足できるものにする- 歩き心地の良いランニングシューズを買う
といったイメージです。
なんとなく気づいた方もいるかと思いますが、4つとも全て改善できる方法って考えるのかなり大変ですよね?
ダイエットを魅力的にするってなんだ?とか、読書を満足できるものにするにはどうすればいいんだろう?とか。
ところがどんな習慣にしたい行動でも4つのうち3つを自然に満たすことができるとっておきのツールがあるんです。
それが習慣トラッカーです。
習慣トラッカーとは
習慣トラッカーは、私がいままで取り組んできた習慣化テクニックの中で最もうまくいった方法の1つです。
このテクニックのおかげで、ブログ、プログラミング学習、中国語学習など数年前までゲームとジャンプを読むことくらいしか習慣がなかった私が、半年ほどの期間に10個以上の良い習慣を身につけることができました。
習慣トラッカーとは「習慣にしたいタスクを決め、実行できたらマークする」というツールです。
カレンダーやメモ帳に記入する人もいれば、私のようにスマホアプリで記録する人もいます。
私はDot Habitというアプリを使って記録しています。
習慣トラッカーを取り入れるメリット・デメリット
メリット
習慣トラッカーには、「習慣がはっきりし、魅力的になり、満足できるものになる」という3つのメリットがあります。
そのため一度取り入れれば、どんな行動も習慣化しやすくなります。
詳しく解説します。
記録された行動を視認できる|はっきりさせる
習慣トラッカーは習慣化したい行動をはっきりさせることができます。
今日行動したかどうか、トラッカーを見ればひと目でわかるため
「今日まだ筋トレしてないな」「本を読んでないな」
とすぐに気づき、行動を起こすきっかけになります。
はっきりさせてきっかけを作る。
これが1つ目のメリットです。
目に見えて前進しているのがわかる|魅力的にする
この本の中で著者はモチベーションについて以下のように述べています。
もっとも効果的なモチベーションは進歩である。前へ進んでいるという印があれば、このままもっと続けようと、ますますやる気が出てくる。
私は著者が本の中で述べている小さな勝利という言葉にとても魅力を感じました。
習慣トラッカーは小さな勝利の連続です。
「今日もブログを書いた」「今日も英語を勉強した」
などの連続した小さな勝利が目に見えるようになるため、その勝利の連鎖を断ち切らないよう「今日も勝つぞ!」と自然とやる気がでます。
このように日々の小さな前進が目に見えてわかるようになるのが2つ目のメリットです。
達成感を得られる行動である|満足できる
習慣トラッカーの最大のメリットが、簡単に達成感を得られることです。
行動を記録すると、その記録をみて満足できるようになります。
昨日の自分よりも今日の自分は1日長く習慣を行動にできているのを実感できるからです。
正直な話、私は習慣トラッカーを始めるまで満足できるものにするという言葉の意味が全くわかりませんでした。
そんなことどうやってもできないんじゃないか?と。
1日だけ筋トレしても体に変化なんて起きないし、1回日記を書いただけで文章力が向上するわけないですよね。
こういった1回では効果が感じられない行動こそ複利で伸びる1つの習慣です。
そしてその小さな習慣を毎回満足できるものにしてくれるのが習慣トラッカーです。
デメリット
習慣トラッカーはめんどくさい
習慣トラッカーの唯一にして最大のデメリットが、習慣を難しくしてしまう点です。
何か習慣を作りたい時、2つ同時に習慣づくりをしなければならないからです。
例えば筋トレを習慣にしたい場合、筋トレに加えて、記録することも習慣にしなければいけません。
これだと記録することが億劫になったり、完璧に記録をつけなければと自分でハードルを上げて、本来身につけたかった筋トレ習慣が続かなくなってしまいます。
このように習慣トラッカーを取り入れるのは、簡単ではないため挫折する人もいます。
そこで私が習慣トラッカーを導入できた具体的な方法について皆さんに共有します。
習慣トラッカーを確実に取り入れる方法
私はこの本を読んで習慣トラッカーの有用性が十分に理解できたので、確実に取り入れるためにある工夫をしました。
それは何よりもまずはじめに、習慣トラッカーを習慣化することでした。
習慣トラッカーを易しくする
習慣トラッカーには3つのメリットと1つのデメリットがあると話しました。
そしてその唯一のデメリットが凶悪で、挫折者を作り出すことになると。
そのデメリットとは、習慣トラッカー自体がめんどくさく、簡単ではないところです。
デメリットをなくす方法は1つです。
習慣トラッカーを簡単なものにしてしまえばいいんです。
習慣トラッカーを簡単にする方法はいくつかありますが、ここでは「自動化」と「習慣化」の2つの戦略を考えます。
自動化する
著者は本の中で、自動化を推奨しています。
スマホやスマートウォッチなどのトラッキングアプリを使えば、そもそも自分で記録する必要がないからです。
たしかにめんどくさい習慣の記録を自動化してしまえばこれが最も簡単な取り入れ方と言えそうです。
ただし私はこの考えには賛成できませんでした。
なぜなら記録する満足感を得られないからです。
4ステップ全てを満たしてはじめて習慣にできるはずなのに、習慣トラッカーの最大のメリットである満足化を失ってしまう恐れがあると考えました。
本の中で紹介されていた例として「1日120本のセールス電話をノルマにしている営業マン」を考えます。
営業マンAは、電話を掛けると発信履歴が残るので行動は自動記録され、習慣トラッキングができていると考えています。
一方営業マンBは、電話をするたびに瓶から瓶にクリップを1つ移し、全部で120個のクリップを移すまでセールス電話をかけます。
どちらが満足化になっているか、想像できたでしょうか。
私はBさんの方が長続きしそうだなと考えました。
このように自動記録にすると記録をする満足感が得られないため、習慣トラッカーによる習慣化はうまくいかないと考えました。
習慣化する
それではどうすれば習慣トラッカーを簡単にすることができるのでしょうか。
私はその答えをこの本の中から見つけました。
それは習慣化です。
一度習慣にしたことは自動的に何度も繰り返し、頭を使いません。
これほど簡単なことはないですよね。
はじめに習慣トラッカーを4つのポイントに沿って習慣化すれば、あとは習慣にしたいことと組み合わせていくだけです。
習慣トラッカーを習慣にする
習慣トラッカーを習慣にするポイントを3つご紹介します。
今回はスマホアプリのDotHabitを用いる場合を例に説明します。
スマホアプリをホーム画面に配置
アプリはホーム画面(iPhoneであればドック)に配置しましょう。
これは習慣形成4ステップのうち1つ目、きっかけをはっきりさせるためです。
最も目にする機会の多いスマホ、そのホーム画面にアプリがあれば、スマホを開くたびに習慣トラッカーをつけなければいけないと気づくことができます。
If-Thenプランニング
IfーThenプランニングは「やり抜く人の9つの習慣」という本で提唱されている、習慣化テクニックの1つです。
「XをしたらYする」という条件を作って習慣化する方法です。
Xは既に習慣になっている行動、Yは習慣にしたい行動をあてはめます。
例えば次のようなイメージです。
「X: 朝起きたら→Y: コップ一杯水を飲む」
このIf-Thenプランニングは、習慣づくりの本には必ずといっていいほど書かれている習慣化テクニックです。
習慣トラッカーを身につけるためにも、ぜひ取り入れましょう。
ルールは以下のようにしてください。
「スマホを開いたら→DotHabitを起動する」
実行したかどうかだけを記録する
DotHabitの場合、行動を記録する際にメモをつけることができます。
ただこの機能は使わないでください。
なぜならいちいちメモすることが、習慣トラッカーを難しくするからです。
習慣形成4ステップの3つ目、反応はその行動がめんどくさい、困難だと認識しているほどできなくなってしまいます。
習慣トラッカーを習慣にするまでは、実行したかどうかだけを記録しましょう。
ここまでご紹介したポイントをおさえたら、あとは実行あるのみです。
早速アプリをダウンロードしてDotHabitを習慣化してみてください。
おわりに
今回はジェームズ・クリアーさんの著書「複利で伸びる1つの習慣」で習慣化最善のツールと紹介されている、習慣トラッカーについてお話ししました。
もしこの記事を読んで習慣トラッカーに興味を持っていただけたらぜひやってみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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