【書評・要約】在宅勤務の方におすすめ!自宅を集中できる環境にする方法

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書評

本記事をご覧いただきありがとうございます。
今回は米田まりなさんの著書、「集中できないのは、部屋のせい。」を読んで学んだ
自宅を集中できる環境にする方法について要約します。
著者の述べる片付けメソッドの根底にある3つのポイントを
私の本業である製造業の観点でまとめました。

こんな方におすすめ!
  • 在宅勤務で仕事に集中できない
  • 家が狭くて仕事をする場所がない
  • 理想的な仕事環境を自宅に作りたい

結論

片付けができない原因は性格や気持ちではなく、方法を知らないから。
何も置かない机、使用頻度別に配置された収納で集中できる部屋をつくろう。

在宅勤務でも集中できる部屋とは

そもそも集中できる部屋とはどういった環境でしょうか。
それはやらなければならないタスクにのみ注意が向いている状況です。
つまり在宅勤務でも集中できる部屋とは、仕事以外にできるだけ注意が向かないようにあらゆるモノ、コトが取り除かれた環境を指すと考えられます。

机の上には何も置かない

机の上が定位置、というモノは無いように心がけましょう。
そもそも机の上はモノを置くスペースではなく作業するための場所です。
また、余計なモノが視界に入るとそれだけで集中力が削がれてしまいます。
PCや書類などもすべて棚や引き出しを用意し
そこを定位置にして使用するたびに机に出すようにしましょう。

私はこの本を読んだとき、monograph 堀口さんが以下の動画で
机はまな板という話をしていたことを思い出しました。

仕事ができる人かどうかは「3つの〇〇」を見ればわかります。

まな板は料理をするときだけ食材と調理器具を出してきて
使い終わったらゴミを捨て、調理器具もおさめてまな板は綺麗な状態に戻します。
机も同じで、仕事をするとき以外は何も置かない。
机が綺麗な人ほど仕事ができる印象があるとコメントされていました。

もしかして著者の米田まりなさんも同じ考えの持ち主なのでは?と感じました。

堀口さんのできる人ほど机が綺麗、という話が
集中力を生み出すための方法としてエビデンス付きで科学的に説明されていたので
腑におちて理解も深まりました。

視覚刺激は集中力を減衰させる

プリンストン大学の神経科学研究所の研究によると
視界に集中すべき作業とは関係ないものが入るだけで、集中力は低下してしまうそうです。

自らの意思とは関係なく、無意識に注意を向けてしまいます。
例えばスマホを机の上において仕事をしていた場合
本来は仕事に集中したいのに、スマホが視界に入るだけで気が散って集中できません。
ついスマホを触ってしまったことは誰しもあるかとおもいますが
実は触らなくても、視界に入るだけで集中力は削がれていきます。

このように、やりたい作業と関係ないモノが机の上や部屋に散りばめられていることが
自宅で作業に集中できない主な原因になっています。

写真を撮れば邪魔なモノが客観的にわかる

手っ取り早く机の上から全てのモノをなくすでもいいのですが
まずはいらないモノを明らかにするためのテクニックをご紹介します。
第1章で取り上げられている、写真を撮って客観視するテクニックです。

ありのままの状態をカメラのレンズを通してみることで客観視し
不要なモノがないかチェックしましょう。
詳しくは著者である米田まりなさんのnoteが参考になるので読んでみてください。

集中できる部屋を作れない原因と対策

著者の米田さんによると、部屋が片付かない原因の9割は整理がうまくできていないからです。
部屋を片付けるとき、多くの人は出ているモノをしまうことから始めます。
しかし本当に片付けを始めるなら、使用頻度別に整理することから取り組むべきです。
製造業界でも2Sの徹底が、生産性向上の基礎であると言われます。

2Sを徹底する

2Sは製造業などでよく使われる言葉で、整理整頓を指します。
不要なモノを減らし、モノの定位置を決めることで
職場を綺麗に保ち、無駄な動作による疲労を抑えることが目的としています。

著者の片付けメソッドも基本的にはこの2Sの徹底が基礎になっています。
この本の場合、整理・整頓に加えて収納も合わせた3ステップで片付けが説明されています。

  1. 整理:モノの存在する意味を定義する
  2. 収納:使いやすい位置に配置する
  3. 整頓:出ているモノをしまう

片付けを行う際は作業をこの3つに分類し、時間を決めて順番に行います。

整理と収納はセットで行う

片付けの基本は整理と収納です。場所と時間を決め、30分1セットで行いましょう。
使用頻度別に整理し、使用頻度の高いモノほど近くに配置します。
初めは1日1セット、慣れてきたらセット数を増やしていきましょう。
片付けは筋トレや語学学習と同じで、長時間かけて一気に行うよりも
小さく継続する方が効果があります。
まずは1日1セットの習慣を身につけましょう。

整頓に時間をかけない

整頓に時間をかけてはいけません。
米田さんの言う整頓とは、出ているモノをしまう作業です。
なぜ時間をかけてはいけないかというと
1回の作業負荷が小さいほど、習慣化しやすいためです。
まずは毎日1回5分以内と決めて、習慣化をめざしましょう。

それでもなかなか習慣にできないという方は
ジェームズ・クリアーさんの著書「複利で伸びる1つの習慣」を読んでみてください。
習慣作りのヒントがたくさん書いてあり、モチベーションをあげてくれます。

集中できる部屋のレイアウト方法

集中できる部屋のレイアウトとは、使用頻度の高いモノほど近くに配置されたレイアウトです。
なぜなら無駄な動作が減り、要らないモノが視界に入りにくいからです。
製造業界でも、動作経済の原則という原則に従って作業工程が設計されています。

動作経済の原則とは

動作経済の原則は以下のように定義されています。

最小限の疲労で最大の成果を上げられるように、最も良い作業動作を実現しようとする経済的な法則

https://www.kaizen-base.com/contents/ie-43966/

その中でも以下の基本4原則があり

  • 動作の数を減らす
  • 動作を同時に行う
  • 動作の距離を短くする
  • 動作を楽にする

これらを検討することで、生産性を上げることが動作経済の原則の目的です。
多くの企業で取り組まれており、特に人手がかかる産業(労働集約型産業)ほど
有効な技法とされています。

本の中で直接この原則について触れられてはいませんでしたが
やっていることはまさに動作経済の原則に則った仕事環境づくりだと感じました。

動作経済の原則を取り入れるメリット

動作経済の原則は生産性を上げることを目的としますが
自宅での作業環境に取り入れる場合

  • 無駄な動きがなくなるので、疲れにくい
  • 不要なモノが視界に入らないので、集中力が減衰しにくい

という2つのメリットがあると考えています。
もう少し掘り下げていきます。

無駄な動きがなくなるので、疲れにくい

動作経済の原則を用いると、在宅勤務で疲れにくくなります。
なぜなら最小限の疲労で最大限の効果を発揮することがこの技法の目的だからです。
例えば在宅勤務で毎日PCを使う場合
PCをしまう場所が玄関だったら大変ですよね。
毎日玄関まで取りに行って机にセットして…と。
それなら机横に棚を用意してPCの定位置にしてしまった方が疲れにくいです。
考えれば当たり前ですが、それが動作経済の原則です。
できるだけ疲れない、無駄な動きがないレイアウトを心がけましょう。

不要なモノが視界に入らないので、集中力が減衰しにくい

動作経済の原則に従ったレイアウトとはつまり
よく使うものほど近くに配置されたレイアウトです。
こうしたレイアウトにすることで、集中力が減衰しにくくなります。
なぜなら、不要なモノが視界に入りにくくなるからです。
例えば毎日使うPCを収納する場合、引き出しにしまったりせず
カラーボックスの一番上の段など近くに配置します。
PC以外に目に入るものが少なくなるので集中力がむやみに減衰することがありません。
このように動作経済の原則に則ったレイアウトの作業環境は
集中力が減衰しにくくなる効果があると考えています。

動作経済の原則に従った片付けの方法

さきほどお話しした通り、動作経済の原則に従ったレイアウトとは
使用頻度の高いものほど近くに配置されたレイアウトです。
米田さん流片付けのポイントは「出す→分ける→決める→戻す」です。

  1. 全部出す
  2. 頻度別に分ける
  3. 定位置を決める
  4. 使ったら戻す

ジャンル別でもサイズ別でもなく、使用頻度別に分ける。
使用頻度の高いものから順に近い場所に置いていく。

こうすることで無駄な動作がなく、余計なモノが視界に入らない
集中できる部屋が作れるようになります。

おわりに

今回は米田まりなさんの著書、「集中できないのは、部屋のせい。」を読んで学んだことを
ご紹介しました。
新型コロナウイルスの影響で在宅勤務を強いられた私にとって、とても参考になる一冊でした。
特に印象に残ったのは「片付けの参考にするべきはインテリア雑誌ではなく、オフィスである」という考えです。本質的でとても共感しました。

私がご紹介したのは第1章にある集中できる部屋づくりの基本がメインです。
他にも集中する部屋作りを実現するために

  • 未完了タスクを取り除く方法とメリット
  • PCのファイル整理になぞらえた実践的な片付けテクニック
  • 1畳あればできる書斎のつくりかた

などさまざまな集中できる部屋づくりのメソッドが説明されています。

もし家では集中力が続かない、家が狭いのに在宅勤務を強いられて困っているなど
私のように悩んでいる方はぜひ一度読んでみてください。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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